蛇は神話の時代から、世界中で「永遠」や「生命」の象徴とされてきました。
蛇は脱皮で何度も新しい自分に生まれ変わるし、長い間エサを食べなくても大丈夫なくらい、強い生命力があるからです。
ウロボロス~蛇は「永遠」の象徴
「ウロボロス」は、ギリシャ神話や、北欧神話に出てくる象徴です。
自分の尾をくわえた蛇で、この姿が象徴する意味は、輪廻転生、物質世界、死と再生など。
人間に多くのことを連想させ、考えさせるデザインですから、中国、アメリカ、インドのヒンズー教など、世界中の多くの文化に、さまざまな影響を与えました。
世界が一つであること、世界は循環によって成り立っていること、世界は永遠であり、不滅であること・・・「自分がやったことの結果は、自分が引き受けることになるんだよ」という意味にも見えますが、いかがでしょうか?
ウアジェト~蛇は「神」の象徴、神そのもの
「ウアジェト」は、エジプトの歴史に興味がある人もない人も、必ず見たことがある蛇の神さまです。
なぜならウアジェトは、エジプトの王様の王冠についている、コブラの姿の女神さまだから。
「エジプトの王様は、蛇を頭につけている」と思っている人、ほんっとに多いと思いますが(多いんだろうな)、
あれは蛇というより、王と共にエジプトを見護る、コブラの姿の女神さまなのです。
他にもエジプトには、蛇の神さまがたくさんいます。
たとえば、冥界の蛇神「メヘン」。
太陽神を守護する、蛇の姿の神さまです。
エジプトでは、太陽は専用の「太陽の船」に乗って空を移動していると考えていました。
アメリカ大統領が、大統領専用機に乗って空を移動しているのと似たような感じです。
もしこの「太陽の船」に何かあったら、世界はたいへんなことになってしまいます。
そこで蛇神メヘンが、太陽の船を護衛することで、エジプトや世界を護っているのです。
アスクレピオスの杖~蛇は「生命力」の象徴
「アスクレピオスの杖」をご存じでしょうか。
アスクレピオスとは、ギリシャ神話に登場する凄腕の名医。
「死者もよみがえる」と言われるほど、評判の良い医師でした。
彼は、生命力の象徴である蛇が巻きついた杖を愛用していて、それが現代にも伝わる「アスクレピオスの杖」です。
アスクレピオスは、神話の時代から現代まで語り伝えられるスーパードクターですから、
現代でも、世界中の医療機関の多くが、「アスクレピオスの杖」をシンボルマークに採用しています。
まとめ
神話の時代から、蛇をきっかけとして、人類は実に多くのことを考えてきました。
世界のこと、神さまのこと、永遠のこと、生命力のこと・・・「アスクレピオスの杖は、当然、聖闘士星矢にも登場するだろう」と思って観ていましたが、見かけませんでした(見すごしたのかな)。
「へび座」や「へび使い座」のセイントがいたらしいのですが、見かけてないのか、見たのに忘れてるのか・・・?