日本語の「神」の語源は、「カ=蛇、ミ=身」という説があります。
日本の信仰について考える時、蛇は欠かせないポイントなのです。
海外でも蛇は、多くの神話に登場しています。
蛇が脱皮して生まれ変わることが不死を示し、蛇が自分のしっぽをくわえた姿が永遠を示す。
とされているのです。
世界の蛇の神話は無数にあるので、ここではいくつかを厳選してご案内します。
サラスヴァティー~七福神の蛇の女神
七福神のメンバーに、蛇の女神が含まれているのをご存じですか?
七福神は、世界各地の神話が日本に集まってできた神さまたち。
ヒンドゥー教の女神・サラスヴァティーから生まれたのが、弁財天です。
このサラスヴァティーは水の女神、あるいは蛇の女神だったという説があります。
それが理由かどうかわかりませんが、弁財天のお使いは白蛇と言われています。
「白蛇弁財天」が全国各地にありますし、日本各地の弁才天の縁日は、巳の日に行われますし、白蛇を見たら生涯倖せとか、金運があがるとか、「白蛇弁財天」に関する伝承がいっぱい伝えられています。
伏羲とジョカ~双頭の蛇の神さま
中国の壁画などで、上半身は二人の人間、下半身は二匹の蛇という、不思議な絵を見たことがありませんか?
この二人は「伏羲とジョカ(ふくぎとじょか)」といって、中国古代神話において、重要な役目を果たした神さまです。
ジョカは、土と縄で人類を作り出した女神。
彼女以前に人類はいなかったとされています。
伏羲は中国を作り出した帝王。
天地の理を理解する能力があり、易経で重要な八卦を創造したと言われています。
他にも伏羲は、家畜、狩り、漁労、調理、武器、などを作り出しました。
中国のすべてを創造したといってもよい神なのです。
ウアジェト~エジプトを見護る蛇の女神
古代エジプトの王様とか、ツタンカーメンと聞くと、金色に輝く王冠を思い出しませんか?
どこの文化とも似ていない独特のデザインで、誰が見ても「エジプトの王様だ」と判るし、美しい。
こういうのを「オリジナリティがあり、完成度の高いデザイン」と言います。
で、このオリジナリティの一つが、王冠に必ずついている、コブラの姿をした女神「ウアジェト」。
意外かもしれませんが、女性なんです。
エジプト神話の中でも歴史の長い神さまで、王の世代によっては、ウアジェトと共に、ハゲワシの姿をした「ネクベト」という女神が王冠についています。
コブラの姿の女神と、ハゲワシの姿の女神が王冠にたたずみ、常に王と共に、エジプトを見護っているというわけです。
まとめ
サラスヴァティーに、ジョカに、ウアジェトに・・・世界の蛇神さまの伝説は、他にもいっぱいありますが、なぜか女神が多い。
イブに禁断の果実を食べるよう誘惑した蛇も、「メスだったんじゃないのか?」という気分になってきました・・・。