突然庭に赤い蛇が出現したら誰もが驚くと思います。
そして赤色というだけで、毒を持っている蛇かもしれないと思ってしまうと思います。
今回は日本に生息している蛇で赤い色をした蛇はどんなものがいるのか、そして遭遇した場合はどうしたらいいのか調べてみました。
ジムグリ
ジムグリは日本の固有種で”地潜(じもぐり)”と呼ばれる種類の蛇で日本中にいます。
体長は70cm~100cmになります。赤みのある茶褐色で黒い斑点の模様があるのは幼蛇の時だけです。
別名「元禄蛇」と呼ばれますが、その理由は腹面の鱗にきれいな市松模様の様な黒い模様がある為です。
また頭部にアルファベットのVの様な模様もあります。
北海道などの寒い地域になるほど、赤色が薄くなります。
平地~低山地に生息し、地面の中や石の下に潜んでいる事から地潜と呼ばれるようになり、訛ってジムグリになりました。
色から見ると毒がありそうですが、無毒の蛇です。
餌はネズミやモグラを食べます。特にネズミの子供が好物です。
活発に活動するのは春と秋で、7月~8月に5個前後の卵を産みます。
また夏と冬は絶食します。基本的に飼育は難しい蛇で、気温が28度ぐらいまでしか活動しません。
幼蛇は背面に鮮やかな黒のラインが顔にかかっていて、成体とは全く違った外見をしています。
鼻先が丸くなって上唇が下顎をくるむような形をしていますが、これは土が口の中に入らないようにする為です。
危険を感じるとお尻から青臭い液を出します。
地中での生活が主な為、なかなか地上では見かける事がありません。
昼に目撃されるのはごくまれと言えます。
ヤマカガシ
個体によっては赤が強く出ているものもいます。幼蛇は特に体色が鮮やかです。
ヤマカガシには毒がありますが、毒を持っている蛇だと判明したのは割と最近の事で、1972年に学生が噛まれて死亡する事件が起きたのがきっかけです。
ヤマカガシの毒は強力で致死量はハブの10倍、マムシの3倍と言われています。
毒があるので凶暴だと思われるかもしれませんが、実際はおとなしい性格です。
ヤマカガシの「カガシ」は日本の昔の言葉で蛇を意味しています。
北海道と沖縄以外の湿地帯や水田に生息していて体長70cm~150cm、生息している地域によって個体の特徴が違っていて真っ黒な色をしているものや、紫っぽい色のものもいます。
本来毒のある蛇の頭は三角形の形をしていますが、ヤマカガシにはその特徴はありません。
時々擬死行動することもあります。7月ごろに2個~多いと40個の卵を産みます。
赤マムシ
日本全域に分布しています。体長は45cm~60cmになります。
たまに1mぐらいに成長しているものもいます。
マムシの中でも体色が赤いものが赤マムシと呼ばれ伊豆大島に多く生息しています。
毒は強めですが、毒の量は少ないです。
しかし神経毒もある為、斜視などの症状が出たり、噛まれた部位によっては血圧の低下、筋力の低下、出血など色々な症状が出ることがあるので注意が必要です。
平地~森林に生息しています。
危険を感じると舌を出し入れして、肛門腺から匂いを放出し威嚇します。
ネズミやヒミズ、ドジョウなどを餌として食べます。
およそ90日間の妊娠期間を経たのち8月~10月に幼蛇を産みます。
幼蛇は3~4年で大人になります。マムシはずんぐりとした体で、銭形模様が特徴です。
一言でマムシと言っても、正確にはニホンマムシとツシママムシがおり、ツシママムシはその名の通り対馬に生息しています。
日本では年間3000人ほどが噛まれ、その内10名ぐらいが命を落としています。
日本酒のビンにマムシが丸ごと入っているマムシ酒というお酒がありますが、マムシ酒を作ろうとして噛まれる人が多いです。
寿命は30年ほどになります。
シマヘビ
毒はありません。体長は80cm~150cmほどです。
日本の固有種で淡黄色に4本の黒い縞模様が入るのが特徴です。
幼蛇は淡黄色に赤褐色の縞模様が入ります。
伊豆諸島祇苗島のシマヘビは餌が鳥の卵や雛しかいないので、1匹1匹の個体が大きいそうです。逆に北海道のシマヘビは80cm以下のものが多いという事でした。
あまり木には登らず地面を歩きます。
繁殖期にはコンバットダンスと呼ばれる争いが見られます。
まとめ
日本には赤い色の蛇が何種類かいることがわかりましたが、一般的に庭で見られるのはジムグリがほとんどという事がわかりました。しかし蛇の種類をしっかり把握していないと、ジムグリだと思っていたら毒がある赤マムシだったという事もあり得ます。うっかり噛まれたら大変です。赤い蛇に遭遇した場合は、こちらからアクションすることはせず放っておくようにしましょう。